【資産運用Q&A】「米ドル動向」について

<Q.>(2013年2月時点)
米ドルの動向

米ドルは今後どのように動くでしょうか?
100円いきますか?


<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
ご質問にお答え致します。

 まず一時的に「円高」や「円安」といった上下に乱高下しながら動くものが為替ですが、為替変動にはトレンドがあります。

以下、具体的にご質問にお答え致します。

1.「今後の米ドル動向」
・短期的には、円高方向へ調整(今の1ドル=90~93円程度)
・中長期的には、円安基調(日本の構造的なカントリーリスク→財政問題や少子高齢社会など)

 国別、時系列に今後のUSD/JPY動向に影響を与えるを考えられるイベントは下記のように予測できます。

<国内>
 2月中〜下旬には、4月8日に任期満了を迎える日銀総裁の後任の人選があります。ここでは、現在のアベノミクスや金融緩和策に積極的な新総裁が選らばれる可能性が高いです=円安への後押し。
 5〜6月頃には「官民協調の外債ファンド創設」構想の具体化が挙げられます。外債を買う場合には、円売りドル買い(外貨買い)となるので、円安への後押しとなります。
6~7月には参院選があるので、これに向けて安倍政権は、株高・円安を演出するためにも人気取りとなる政策や追加政策が打ち出されると考えられます。
 このままの状態であれば、選挙は与党の勝利が考えられますが、選挙後のUSD/JPYマーケットは現状では予測し難いところです。ただ、冒頭でもお伝えの通り、日本の構造的なカントリーリスクによって中長期で考えると円安トレンドだと考えられます。

<米国>
債務上限問題が、当面の間は影を潜めます。具体的には8月頃まで米政府が資金繰りを続けられる事が決まったので、6〜7月頃に再度「財政の崖」問題が取り上げられ、円高方向へ進む局面が来ると考えられます。


2.「1ドル=100円台」になるか
 直近発表されているUSD/JPYの各金融機関の年度末予測は1ドル=95円程度が多いです。ただ、年末段階で各金融機関が出していた2013年予想レンジが下記の通りです。

2012年12月21日段階(5人のアナリスト予想)
バークレイズ銀行 82-92円
新生銀行 82-92円
三菱東京UFJ銀行 78-86円
JPモルガン・チェース銀行 75−85円
みずほコーポレート銀行 78−88円
UBS 94円13銭

 つまり、昨年末予測の大方の予想は外れ昨年末の予想以上の「円安」になっている事が分かります。リーマン・ショック以前のUSD/JPY為替推移としては100円台で動いていたのでこのあたりまで円安方向に戻すと考えても不思議ではありません。

 また、足元の円安を支えているのは「アベノミクス」と呼ばれている安倍政権の政策ですが、こちらについて弊社会長の河合圭がブログ記事で分かりやすくまとめているので、下記ブログをご参照下さい。

※『河合圭のオフショア投資ブログ(アベノミクスとは)』について



代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉

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