【資産運用Q&A】「個人向け国債と国家破綻危機への備え」について
<Q.>(2013年1月時点)
個人向け国債について
個人向け国債の満期がもうすぐきます。そのまま延長した方がいいでしょうか?
国が破たんと聞くと心配です。
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
ご質問にお答え致します。
まず、満期を迎えた場合は、そのまま現金で受取りましょう。
そして、下記3点を確認されるのが良いと思います。
1.) 総資産の中で「円資産」のみではないか? ex.)国債、投信、株式、不動産など
2.) 外貨資産(外貨MMF、オフショア投資、海外積立投資、外貨建てETFなど)を持っているか?
3.) コモディティ資産(金資産など)を持っているか?
厳密に「国家破綻」と表現するとオーバーで、恐怖そのものを煽っているように感じてしまうので、質問者さんの疑問としては1.)「国債価格の大幅な下落=急激な金利上昇」や 2.)「過度なインフレーション=円資産の価値目減り」が心配という事と勝手ながらに解釈します。
1.)「国債価格の大幅な下落=急激な金利上昇」
こちらに関しては、2012年2月に三菱UFJ銀行が国債暴落の想定シナリオを策定しているとの一部報道がありました(朝日新聞より)。つまり、金融機関も「一応」の対策を考えているという事です。金利が急激に上昇すれば、国債を買い支えている銀行や郵貯(つまりは日本国民の預貯金)が目減りすることになります。もっとも厄介なのが、こういう事を端に発して「取り付け騒ぎ」や「銀行業の業務停止」などが起こることです。そうなれば、国債への信用どころではなくなります。
2.)「過度なインフレーション=円資産の価値目減り」
上記1.)と重複する箇所も多々ありますが、金利上昇によってインフレーション(物価上昇)が引き起こされるとUSD/JPYの為替推移として「円安方向」になるので、輸入物価も同時に上昇し円資産価値の目減りとなります。逆を言えば、円資産のみではなく外貨資産を保有することで、その目減りのリスクヘッジが可能になります。
あくまで、1.)や2.)の状況にならない事を期待していますが、こればかりは正直分かりません。国債の満期を迎えられ、更に10年国債などに延長される場合は、2023年です。2020年に、政府は「プライマリーバランス(財政収支)を黒字にする」目標を掲げていますが、今のところそのようなメドは立っていません。
自分自身の資産を守るは自分自身ですので、様々なリスクを想定して、国債に投資し続けるのか、外貨資産を持つのかを考えられると良いでしょう。
下記URLは弊社会長の河合圭が外貨保有についての考え方をブログ記事でまとめているので、ご一読下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(外貨資産は保険という考え方)』について
また、下記は弊社より「国家破綻リスク」に関する情報を発信しているので、併せてご覧下さい。
※『資産運用相談ホームページブログ(アルゼンチンデフォルト危機から考える)』
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉