【資産運用Q&A】エマージングソブリンについて
<Q.>(2013年1月時点)
エマージングソブリンについて
エマージングソブリンを持っています。
金利が高いということで証券会社の営業マンの方に勧められて持っていますが、そろそろ売った方がいいでしょうか?
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
ご質問にお答え致します。
結論としては「利益が出ている場合には売却して利益を確定すること」が重要です。具体的に運用の中身を確認します。
<格付け構成>
BBB格債券 約54%
BB格債券 約20%
B格債券約6%
と比較的に信用度が低い債券が投資対象です(新興国・・・エマージング国なので当然と言えば当然なのですが)
<通貨別構成>
円 98%
米ドル 1.8%
ユーロ 0.2%
<地域別債券比率>
ラテンアメリカ 37%
ロシア・欧州 32%
アジア 17%
以下・・・
このエマージングソブリンの運用は比較的上手くいっています。理由としては下記2点。
理由.1「円高」だったから。
理由2. 「ヘッジコストが少なくなっていた」から。
運用自体に良い影響をもたらしていたのは米国の低金利と日本の低金利によって、為替ヘッジに関するヘッジコストが少なくなっていました。同時に、昨年末あたりから新興国も相次いで金利を下げる金融政策を取り始めたので、これもヘッジコスト低減に役立っています。
ただ、投資家が勘違いしがちなのは(というよりも証券マンや銀行員のセールストーク上で)、「円で投資出来て、為替変動の影響も少なくて、毎月これだけの分配金が出るので、定期預金に置いておくよりも良いですよね」という、歪められた考え方です。
こちらについては、弊社会長の河合圭が過去のブログ記事でまとめているので、下記ブログ記事をご参照下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(円建て投資という錯覚)』について
また、「為替ヘッジについて」は下記にポイントをまとめました。
・「為替ヘッジあり」では投資先の通貨(上記の場合には豪ドル)が今後下落する(その通貨に対して「円高になる」)場合には効果的
・「為替ヘッジなし」では投資先の通貨が今後上昇する(その通貨に対して「円安になる」)場合には効果的に働く
という事です。
また2012年後半にかけて、証券会社や銀行では「円ヘッジあり」や「為替ヘッジ付き投信」を薦めてきたとの情報が入っています。また、そのようなマネー誌の特集記事も組まれていました。
政権交代かつ日本の財政問題などからも、USD/JPYの為替トレンドに関しては「円高是正(=円安方向)」へと動き始めましたので、現状でお持ちのエマージングソブリンの利益が出ている場合には利益確定をして、もし総資産の中で円資産しかお持ちでない場合は、外貨資産(外貨建てETF、外貨MMF、海外積立投資、外貨建て債券など)を持たれる事で、過度な円安に対してご自身の資産を守れると思います。
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉