【資産運用Q&A】新光ハイインカム・ポートフォリオ・ファンド』ブラジルレアル・1年更新コースについて
<Q.>(2012年6月時点)
ハイインカムポート ブラジルレアル(1年)の解約タイミングについて教えて下さい。
投資や資産運用についてはほとんど無知で、証券会社の人に言われるままに別の銘柄からこのハイインカム...に買い替えました。
現在180万口持っていて毎月2万7千円の分配金があります。この分配金は大変ありがたいのですが、元々経済状況や国際情勢などにも疎い私は預けっぱなし状態で投資や運用などには向いていないので、大きな損失を食らう前に解約したほうがいいのではと思うようになりました。
実際、これに買い替える前の銘柄(商品というのでしょうか)は約240万口(円)あったのに、180万までの損失を負ってしまっています。
①銘柄名に「1年」と付いていて、買い替えたのが昨年の10月なのでまだ1年未満だけど解約できるのか
②このまま持っていても特にリスクはないのか(分配金が捨てがたいという気持ちが大きく、できれば240万から損失した分を分配金で少しでも穴埋めできれば...とも思っています)
③今解約するともっと損するからもう少し様子を見たほうがいいのか、逆に今すぐにでも解約したほうが安全なのか...
証券会社の人に聞けば早いのですが何となく相談しづらく、難しいことを言われてもいつも頭に入らないもので(^_^;)
これといった正確な答えはないのかもしれないですが、参考程度でもいいので教えていただけたらと思います。お願いいたします。
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
質問にお答えします。
まず、商品名は『新光ハイインカム・ポートフォリオ・ファンド』ブラジルレアル・1年更新コースでお間違いないでしょうか?商品名が不確かですが、この商品を前提に以下にまとめます。
①はい、解約可能です。投資信託は基本的に(特別なものは除いて)、解約申込(その日の15時まで)は可能です。ただし、この商品の場合には、ロンドンの銀行とブラジルのサンパウロの銀行が休みの日には換金出来ないとの事なので、それは確認しなけばなりません。
恐らく、質問者の方のように「1年」という言葉に惑わされて換金出来ないという方も多いのではないでしょうか?
②この認識は大きく間違っています。まず、投資対象(ハイイールドやアジア債券、エマージング債券など)が元々ハイリスクハイリターンな上、ブラジルレアルという為替自体もハイリスクハイリターンな商品性です。つまり、二重にハイリスクハイリターンで投資しています。
注意して頂きたいのは、資源国通貨(ブラジルのレアル)は特に今のような不安定な経済環境下ではまず売られやすい通貨となります。つまりは、投資信託の基準価格の下落要因です。また、5月29,30日にブラジル中央銀行は通貨政策委員会を開き、市場予想では0.50%引き下げて政策金利を年8.5%へとの観測と、直近では利下げ観測後退との見方が交錯しています。もし、利下げが実現すれば、7会合連続となります。
なお、先月4月時点でブラジル政府の政策見通しとしては、金利は抑制(金利低下)していく方向です。 金利と債券単価、為替の経済理論上の動きは下記です。
金利↑ー債券単価↓ー為替↑
金利↓ー債券単価↑ー 為替↓
現状、今後の見通しとしてブラジルは金利抑制方向ですので、金利が下がる事で世界的な取引額が少ない通貨レアルから投資資金が流失して円高方向に振れる(=含み損の拡大)ことになります。
そして、分配金について大きく勘違いされていると思います。
分配金水準が極めて高い投資信託であれば、基準価格の推移と元本払戻金(特別分配金)が出ているかどうかの確認をして下さい。下記URLは弊社会長の河合圭が以前にブログ記事で分かり易くまとめたものです。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(基準価格と分配金)』について
穴埋めするどころか、むしろ含み損がかさむ可能性が大きいと思います。
③元々、運用資産自体が安全という言葉からかけ離れています。
最終的な判断は質問者さんですが、「何のための投資」なのか理由が明確でなければ、解約することも投資し続けることもアドバイスの判断がし難いです。ただ、客観的に投資商品のみを判断するのであれば、十分ハイリスクな商品に投資されているという印象を私は見受けます。
+α)
まず、証券会社の営業マンに解約の話をすると基本的には解約した後に投資して欲しい違う商品を勧めてくると思います。そして、質問者さんが「頭に入らない」と仰る以上、高い手数料を払ってまでも質問者さんのためのパフォーマンス(リターン)になっているかは不確かです。事実、今投資されている投資信託には約5%の手数料を払われています。では、それ以上のパフォーマンス(リターン)を得ましたか?また、手数料についても弊社会長の河合圭が同じくブログ記事でまとめていますので、こちらもご参照下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(金融商品の手数料の考え方)』について
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉