【資産運用Q&A】コモディティ(ゴールド価格)について
<Q.>(2012年6月時点)
最近、ゴールド(金)の価格が低下しています。
たぶん、ギリシャ問題で・・・
経済危機になると、ゴールドの価格は、上がる
と思っていましたが、なぜですか?
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
質問にお答えします。
基本的にコモディティとしてのゴールドは「経済危機(=有事の金資産)」の場合には値上がりするのが自然な流れです。弊社会長の河合圭が以前に「金」について分かりやすくブログ記事でまとめておりますので、下記URLをご参照下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(金投資)』について
金資産を巡る動きは特に2012年3月から大きく変化しています。
他にもニュースは出ていますが複数を載せています。
これらの要因も現在の価格形成に影響を与えていると思います。
3月16日 インド関税引き上げ(Bloombergより)
3月20日 インドや中国の需要減速を懸念(Bloombergより)
3月28日 インドのストで需要後退の観測(Bloombergより)
4月9日 米緩和観測の浮上やインド需要への期待(Bloombergより)
一般的に現在までに人類が「掘り出した金」の総量は14~15万トン程度と言われており、今後掘り出す事が可能な埋蔵量が6~7万トン(プール1杯分)と言われています。この量はおよそ25年程度で枯渇するとの見込みです。あくまで金は資源であり、石油同様にいつかは無くなると思います。ただ、リサイクル(都市鉱山)もあるので今後の需給は未知数である事も事実です。
そして本題ですが、有事の際には金は買われる(上昇する)のは、経済合理性の元での動きです。ただ、例えばリーマンショックなど大きな経済的混乱時には、金資産すらも売却されました。(あらゆる資産から資金が蒸発したと表現されています)。数年前にこのようなマーケットの動きがあったのを意識して、現在も金資産が売却されているという見方もありますし、また、米国で更なる金融緩和策を打ち出してくれば米ドルの価値が下がり、相対的に金の価格は上昇する流れにもなります。(米ドルと金は、ほぼ逆の動きをします。→つまり、米ドル金利が上昇して、米ドルの投資身妙味が一層出てくれば、金は相対的に下落します。)
ただ足下のギリシャや欧州問題を意識して、比較的安全資産と位置づけられる米国債(米ドル投資)が行われ、米ドルの魅力が増した分、金の投資妙味が下落しているかも知れません。
なお各ファンドマネージャーのポジショントーク含めてだと思いますが、最近のニュースとして下記のような情報がでていました。
※金の強気は、下落懸念も何のそのーソロス氏は買い増し(Bloombergより)
「金」を含め、実物資産は「万が一の際」には効力を発揮するものなので、「総資産」の中に少量はポートフォリオをして組み込んでおく意義はあると思います。
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉