【資産運用Q&A】新興国債券レアル投資信託(三菱UFJ新興国債券通貨選択レアル 毎月分配型)について
<Q.>
投資信託などあまり分からないまま新興国債券レアルの投資信託(三菱UFJ新興国債券通貨選択レアル 毎月分配型)をしています。
ここのところ基準価格がどんどん下がってますよね。(2012年5月時点)
株価の下落や欧州危機、これらが影響を及ぼしてるのでしょうか?
ギリシャがEUを離脱した場合、この投資信託にどれくらい影響を及ぼすのでしょうか?
長期的にもっていれば、上がる可能性もあるのでしょうか(誰にもわからないと思いますが詳しい方の見解で)
損覚悟で今すぐ解約した方がいいのでしょうか?
ハァ・・素人が投資信託に手出しするものじゃないですね。
損も悲しすぎるので、上がる可能性があるのなら持っていたいのですが・・
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原と申します。
質問にお答え致します。
投資されている、三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択型シリーズについては、弊社、K2 Investment会長の河合が以前に記事にしておりますので、以下のブログURLをご参照下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(三菱UFJ新興国債券ファンド通貨選択型シリーズ)』について
【投資商品の内容の整理です】
まず、前提としては新興国の債券を投資対象としている投資信託ですが、UFJ発行の月次レポートで上位組み入れ銘柄を国別に見ると、1位ロシア、2位コロンビア、3位ブラジルのペトロブラス(石油会社)、4位ペルー、5位トルコと多岐に渡るリスクが高い債券を組み入れた運用です。今の世界的な株安の影響は間接的にはありますが、原則、株と債券の動きは異なります。
また、ブラジルレアル通貨はハイリスクな通貨であるということ(為替の影響が大きい、つまり円高に振れると基準価格の下落要因になります)。更に、レアルでのヘッジ運用をしていますが、そのブラジルの政策金利について、4月のブラジルの金融政策委員会の会合では金利が下げられました。→http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2P7H76JIJUO01.html (Bloombergより)
今後のブラジル政府の政策見通しとしては、金利は抑制(金利低下)していく方向です。金利と債券単価、為替の経済理論上の動きは下記です。
金利↑ 債券単価↓ 為替↑
金利↓ 債券単価↑ 為替↓
今後の見通しとしてブラジルは金利抑制方向ですので、金利が下がる事で世界的な取引額が少ない通貨レアルから投資資金が流失して円高方向に振れるので、基準価格の下落要因になり得ます。
また、分配金水準が極めて高い投資信託ですので、元本払戻金(特別分配金)が出ているかどうかの確認をして下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(特別分配金と普通分配金)』について
【今後の見通しです】
ギリシャがEUを離脱した場合、あくまで想定ですが、資源国通貨(豪ドル、NZドル、ブラジルレアルなど)は先進国通貨や格付けの高い債券(比較的安全資産と呼ばれる債券と)比較して真っ先に売られると思います。ですので、投資商品は大幅な基準価格の下落が予想されます。但し、ギリシャがEUから脱退しないように各国が協調して政策を打とうとしている動向にもやはり注意を払う必要があります。
投資ですので、最終的には売却するか、上昇するとの可能性を信じて保持するか(理論上、元に回復するまではかなり困難だと私は考えますが)決められるのは、投資家の自己責任です。
K2 Investment Co.,Ltd
代表&投資アドバイザー 眞原 郁哉