みずほ公募増資(PO)
私はあまり株の個別銘柄については書かないのですが、本日はみずほ公募増資(PO)について書こうと思います。
まずそもそも私がなぜ日本株の個別銘柄について書かないのか?それは私自身、日本株が上昇すると思っていないからです。
日本経済の回復がない中、日本株上昇はほぼ外需頼みと言ってもいいでしょう。つまりは新興国で物を売れということです。
もちろん新興国で物を売ることに成功している企業の業績が上がっています。
例えば『ユニ・チャーム』。この会社は中国で成功し、業績も上がっています。株価もご覧の通り、金融危機など関係なく上昇しています。あまりに業績が良すぎて、外資からの敵対的買収(TOB)を恐れ、今年ユニ・チャーム・ペットケアという子会社の株式を全部取得し、上場廃止にさせました。それだけキャッシュもあるということですね。
このような銘柄を探してもどこかにあるとは思います。しかしながら、このような銘柄はまれです。見つかるまで投資しては損して・・・ということを繰り返していては、個人投資家はいつになっても利益が取れません。新興国で利益をあげている企業に投資をしたければ、直接新興国株へ投資すればいいのです。今なら投資信託があるので、簡単に投資できますし、費用を抑えたい方は外国株として、個別銘柄を直接購入することもできます。
では今回の「みずほPO」。まず先に申し上げておかなければいけないのは、これは明らかにネガティブな増資です。お金がないから資金調達をしたいというだけです。
以前のブログでも書きましたが、公募増資にもいい公募増資と悪い公募増資があります。
将来の成長戦略のために今手元に資金が必要、というのがいい公募増資。
表現は少し極端になりますが、倒産しそうだから今資金が必要、が悪い公募増資です。
この差が大きいことは容易にわかっていただけるでしょう。
この見分け方はたしかに難しいです。しかしそもそも会社が成長し、成長戦略があるのであれば、市場はそれを評価し株価は上がっているでしょう。
ではみずほフィナンシャル・グループの株はどうですか?
そう、ご自身の目で見て確かめてください。すぐにわかります(笑)。
こういったことを証券会社はまず教えてくれないでしょう。証券会社にとっては資金調達主であるみずほも大事な顧客だからです。個人投資家と比べて・・・ということは言えませんが、引き受けた株式をすべて個人投資家にさばくのが彼らの仕事です。
これがみずほならまだいいです。そう、株価が下がってても、「あの会社なら知っているし、いつかは上がるだろうから、安いところでさらにディスカウントして手数料もなしで買える」と思うかもしれません。
しかしこれが知名度のない地方の会社なら、さあ大変。なんとしてでもすべてさばかなければいけないのです(笑)。
わかりますよね?これらの行動に「その株が上がるか下がるか」はまったく関係ありません。上がろうが下がろうがすべて個人投資家にさばいて、自分たちの手元の持分をゼロにしなければ、証券会社自身がその株式を持たなければいけないのです。自分たちで保有することになったら下がるかもしれませんからね(笑)。
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