野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型)
本日は野村證券の新商品『野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型)』をご紹介します。
正直もうパターンは一緒ですが、今回の特徴は2つ。「世界のハイイールド債」と「バスケット通貨選択型」です。
まず「世界のハイイールド債」。通常今までだと米国ハイイールド債というのが多かったのですが、今回は欧州や新興国も投資対象となっています。もちろん野村にそんなノウハウはありませんので、ファンドオブファンズです。これが格付けのイメージ図。ハイイールド債とはBB以下(投資不適格債)を言います。GM、フォードなどがイメージしやすいでしょう。
格付けが低いので、それだけ金利を高くしなければ誰も買ってもらえません。よって通常の投資適格債だと3.4%程度なのですが、ハイイールド債は10%近くまで金利が付きます。
地域は均等に。
この参考ポートフォリオでは年平均11.5%、平均デュレーション(期間)4.3年、平均格付けはBです。
次に「バスケット通貨選択型」。今までは「通貨選択型」というのが多かったと思います。豪ドルやブラジルレアル建てが選べたので、大体の方は金利が10%以上もつくブラジルレアル建てを選択していました。しかしブラジルレアル建て一本でいくのもハイリスクなので、このようなバスケット通貨型が出てきました。バスケット通貨とは、例えばブラジルレアルや豪ドル、南ア・ランドなどを一つのバスケットに入れ、平均化して管理することを言います。つまりここにある「資源国通貨コース」なら、最低3通貨に分散投資してあるので、多少のブレは少なくなります(リスク分散となります)。とはいえ、「資源国通貨」「アジア通貨」と固めてしまっていますから、右向け右で、同じような動きをするとは思いますが(笑)。
こちらがもうおなじみの為替ヘッジプレミアムです。資源国通貨で6.6%、アジア通貨で4.1%の金利が付きます。
最後にこのファンドの購入手数料はなんと4.2%。野村は今まで購入手数料を2%から3%、3.5%と徐々に値上げをしてきましたが、今回ので4%。いったいどこまで値上げをして行くのでしょうか?たしかに2%から4%にしたところで、営業マンの苦労はほとんど一緒なので、4%にした方が効率が倍いいのですが、それにしてもサービスの質を上げず(むしろ最近は回転売買になっているので、質は落ちる一方でしょう)、値上げを続けていくというのは、ビジネス書によると顧客満足度を低下させる要因となります。まあ、投資家が気づかなければ満足度が下がることもないのですが、いい加減気づいてもいい頃でしょう(笑)。
このファンドも正直、今までの「通貨選択型」と大差はないので、「通貨選択型」を売却してこれに乗り換えというのはありえません。絶対に意味がありません。あるとすれば、
・グロソブのような金利がつかなく、今後の円安だけを待っているようなファンド
・新興国株式などを一度利益確定する方
・日本株を損切って(利益が出ていればなおいい)乗り換える方
もちろん個々人によってもっと色々なパターンがありますので、個別に相談したい方はいつでもご連絡ください。
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