ベトナム株式プラス・オープン(愛称:ベトナム・ドリーム) 〜ユナイテッド投信
一時期ブームになった。ベトナム株。2005〜2006年、世界中の余剰資金が新興国へ一斉に流れ、BRICsの「次」を探し始めた投資家(というよりもむしろ証券会社)はVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)という呼び名を作り、次の「ブーム」にしようと祭り上げた。そうこうしているうちに、さっさとバブルが弾け、今はこのベトナム株もピーク時の3分の1近くで推移している。
バブルが弾けた後も、ちゃくちゃくと大型IPOを続け、今ベトナムの上場企業数は合計476になる。時価総額で約3兆円くらいである(いまだそんなに大きな市場ではない)。
ではこのファンドのいう、ベトナムのセールスポイントは何だろうか?
まず過去の日本のGDPと照らし合わし、現在のベトナムの水準は日本の1960年代の水準だという。
そしてこの金融危機の中、中国と同様に変わらず高い経済成長率を保っている。
さらに天然資源も多くあるという。しかしここに出ている数字は全て「埋蔵量」なので、ホントか?というところが大きい。ここに書いてある「たくさん埋蔵量がありますよ」という調査もすべてこのユナイテッド投信が独自に調査して出している数字なので、「販売者」側が出している資料はまず疑ってかかっていいと思う。
労働人口は日本と違い、増えて行くだろう。これはどの新興国でも同じである。
最後にこのファンドの投資配分比率。当初は株:債券(アジア諸国)=60:40で投資を始め、将来的には未公開株、店頭公開株を含めた株式に投資するという。もうそこまでくると、新興国な上に、公開情報も少なく、「将来化けるかも?」ということだけで投資しているよなものである。
私も「個別ファンド情報」というカテゴリで過去いろいろなファンドを40本以上ご紹介してきましたが、比較的大手が作っているファンドが多かったかと思います。今回、初めて中小投信をご紹介しましたが、投資&勧誘基準が極めて明確でないと思わざるをえませんでした。「ベトナム」というだけで個人投資家は簡単に投資をしてしまうものでしょうか?
わざわざベトナムに投資をしなくても、まだBRICsで十分な上昇を期待できます。またBRICs諸国の方が、投資環境は整っていますし、債券市場も徐々に拡大してきています。ベトナムに投資するのはまだ時期尚早だと思います。
ちなみに僕もベトナムへ旅行へ行ったことがあります。ベトナム株を買うためのツアーもありますが、単純にバックパック旅行でした。野村の同期と行ったのですが、情緒ある街で、人も良くいい旅でした。。
※ベトナム旅行はこちらのブログ
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