グローバルソブリン(グロソブ)毎月分配型
本日は日本で最も資産残高の多いグローバルソブリン(通称:グロソブ)毎月分配型についてご説明します。
このファンドは国際投信が運用しています。国際投信と聞いても知らない方がほとんどだと思います。しかしこのグロソブがこれだけ売れたのには訳があります。当時日本の証券会社では毎月分配型(毎月分配金を出してもらえるファンド)は投資をする上で効率が悪いとされてきました。とはいっても、現実にはそれは事実であり、海外のファンドでは分配金を出さない(複利運用)というのが常識であり、私の会社で紹介しているヘッジファンドは、もちろん出す訳がありません。ところが1998年12月より銀行で投信の窓販が解禁となり、銀行に来る一般のお客様(投資初心者)に対し、もう10年も金利のほとんどつかない定期預金から乗り換えの勧誘が始まりました。グロソブでは4%/年くらいの金利をしかも毎月出してくれて、一方の定期預金は金利がもらえる見込みゼロなのですから、とりあえず乗り換えます。これでグロソブに火がつきました。運用対象先が先進国(アメリカ、イギリス、EU、オーストラリアなど)の国債だったのも、安心感に繋がったのでしょう。
下の表はインターネットで公開されているグロソブの月次レポートから切り抜いています。ここで現在の「基準単価」と「純資産」を見てみましょう。まず「純資産」ですが4兆3655億円とダントツ1位。(ちなみに2位のファンドは1兆円台。)これは海外の大型ヘッジファンドでも目を丸くする規模です。次に「基準価格」です。これが株でいう「株価」にあたる現在の価格です。09年8月31日現在のグロソブの基準価格は6385円。日本の投信は全て1万円から運用スタートなので、基準価格だけでいったら37%目減りしています。1000万円投資していたら、今は638万円の価値です。
しかし毎月分配なので、長年出し続けて来た分配金があります。下の表をご覧ください。過去累計で6136円出しているので、先ほどの基準価格に足すと12521円。本来ファンドは1万円からスタートなので、97年から運用をしているグロソブは、09年現在まで約12年かけて25%のリターンを上げていることになります。(現実はここから税金が毎月なり引かれているので、手取りはさらに低い。)
これをチャートで表したのがこちらです。
一番直近で1口あたり35円の分配金を出しているので、今このファンドを購入すれば、分配金だけでは
35円×12ヶ月÷6385円(基準価格)=6.5%/年
の利回りになります。あとは今後を考えて円安になると思えば購入しても良いでしょう。(ちなみにグロソブは先進国で運用しているので、ドル、ユーロ、豪ドル、ポンドなど色々入っています。ドルだけでなく、その他通貨と円との関係も考えなければいけません。)
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