ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)円コース 愛称:グロインマインド 〜ピクテ投信投資顧問
ピクテがグロイン(グローバル・インカム)と同じようなファンドを新しく設定してきました。名前は『ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)円コース 愛称:グロインマインド』。
まずはグロインをご一読いただいて、それと何が違うかといとたったの一つ。円ヘッジしているということだけです。
本来、このファンドもグロインも世界の株式に投資をしています。セクターを限定して公益株(電気、ガス、水道など)にしていることで、日本の東電などと同じように比較的高い配当がもらえます。
しかし問題はそのコスト。為替ヘッジプレミアムというのは以前にご紹介させていただきましたが、外貨建てで投資をすると、この為替ヘッジプレミアムが金利として丸々もらえますが、逆に本来外貨の投資先を円ヘッジして為替リスクをなくしてしまっては、この「為替ヘッジプレミアム」がそのまま「為替ヘッジコスト」としてコストになります。
こちらのグラフではコストが少なく見えるように金利の低い米ドルで表してありますが、これが仮に豪ドルだとしればせっかく金利が高いにも関わらず、為替ヘッジコストですべて持っていかれ、その分公益株からの金利収入から支払わなければいけなくなります。
そして結果、どのくらいの金利収入になるかは明記していないこのファンド。投資しても本来大した金利収入がないにもかかわらず、毎月分配型といっていることで、どれだけの「分配金」が出てくるか、ということだけになります。どれだけ分配金が出てこようと、本来の金利収入は大したことないということですね。
そしてこちらのグラフがまた曲者。一見、他の資産(世界REIT、ブラジル国債、世界株、日本株)と比べると、いかにもリスクが低くてリターンも安定しているように思えますが、これは単にリーマンショック以降の短い期間だけを表したもの。つまりそんな短期間のデータ、資産運用ではなんの役にも立ちません。
資料には色々な数字のトリックが隠されているので、皆さん気をつけてくださいね。
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