HSBCブラジルオープン

本日は『HSBCブラジルオープン』をご紹介します。このファンドは残高も2000億円近くありますし、色々な金融機関で販売されているので、保有されている投資家も多いことでしょう。

ただこのファンドの特徴は特になく(笑)、単にHSBC投信が彼らのいいと思ったブラジル株に投資します。ブラジル株以外には投資しませんから、本当にブラジルだけです。国内の銘柄では分散しますが、国際分散投資などしません。

こちらが運用の経緯です。

HSBCブラジル2

運用は新興国株がブームだった2006年に始まっています。この頃はどの新興国の株を買っても儲かっていた頃です。しかしそれがリーマンショックで一気に1/3程度になりました。そして2009年にリーマンショック程度の水準に戻った後、2010年は規制強化もありほとんど横ばいというところです。

このファンドに限らず必ず注目いただきたいのは「ベンチマーク」というところ。「ベンチマーク」というのは、要は目標とする数値のこと。同じような資産で運用している数値と比較し、それと比べて良いか悪いかを見るための指数です。

今回のファンドの「ベンチマーク」はMSCIブラジル10/40指数。要はブラジル株の日経平均株価のようなものです。しかしこのファンドを見ると(というよりもほとんどの投資信託がそうですが)、この「ベンチマーク」よりも下回っています。設定来で上回っている時のほうがほとんどありません。しかも下がる時は一緒に下がって、上がる時も一緒に上がっています。

これはつまり以下のことを表しています。

1)だったら直接ETFという形でベンチマークに投資すればいい

2)結局、儲かるか儲からないかはファンドマネージャーの腕ではなく、相場次第

ということです。だから投資信託なんて早くやめたほうがいいんです。高い購入手数料(3.675%)を銀行や証券会社に支払っているとは思いますが、それ以上に毎年高い信託報酬(1.995%)を払っているわけですから。

ちなみに証券会社ではこの事実に皆目をつむっています。誰も・・・

「ベンチマークと比較すると・・・」

なんて説明してくれないでしょう。都合が悪いですからね(笑)。おそらく投資家から質問をしたとしても・・・

「後で調べておきます。」

と言ったきり連絡は来ないでしょう(笑)。

最後にブラジルレアルという為替のチャートです。

HSBCブラジル

当然、このファンドはブラジル国内株に投資するわけですから100%ブラジルレアル資産になります。このチャートでいうと、上に行けば行くほど円安ブラジルレアル高でこのファンドに投資している人には得になります。逆に下に行くと円高ブラジルレアル安で損になります。

そしてよく考えていただきたいのは、

「じゃあ、これからブラジルレアル高になるか、ブラジルレアル安になるか・・・」

ではなく、

1)値動きが激しい(リスクが高い)

2)ブラジル株と同じ動きをしている

ということです。だからリスクとたくさん取ってもハイリターンが欲しいという方しか投資をしてはダメです。

ちなみにこのファンドの説明資料には一切書いていませんが、このファンドの標準偏差(リスク)を表すと30%は軽く超えるでしょう(株のリスク+為替のリスク)。

標準偏差についてはこちら


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