野村米国ハイ・イールド債券投信(豪ドルコース)毎月分配型
本日は先月の資産流入額で1位だった『野村米国ハイ・イールド債券投信(豪ドルコース)毎月分配型』をご紹介します。
このファンドは以前ご紹介した『野村新米国ハイ・イールド債券投信(通貨選択型)』とほぼ同じ内容です。ただ当時募集上限額の関係で、新しいファンドが設定されました。今回の説明は古い方のファンドになります。
ではまずハイイールド債を確認しましょう。ハイイールドとは利率が高い債券のことを言います。他の債券と比べてみるとこちらのようになっています。
格付けが低い=倒産リスクが高い=金利を高く設定しないと資金調達できない、ということなので、金利が高いのですが、格付けによってどの程度金利が変わってくるのか、こちらのグラフでよくわかります。
過去の倒産とその後の資金回収率がこれです。やはり倒産なので、なかなか資金は返ってこないと言えます。
それではこのようなハイイールド債は会社が倒産しなければ問題ないのか?となるとそうでもありません。このように債券単価が大きく上下にブレることになります(ハイリスク=ハイリターン)。
このファンドは皆さんが投資通貨を選べるようになっています(通貨選択型)。選べる通貨は以下のとおり。
・ブラジルレアル
・トルコリラ
・南アフリカランド
・豪ドル
・米ドル
・ユーロ
・日本円
・通貨セレクトコース
通貨によって何が違ってくるかというと、もちろん為替リスクが変わってくることもありますが、ついてくる金利も変わってきます。この金利を為替ヘッジプレミアムといいます。
日本円は金利がゼロなので、単純にその国の政策金利(短期金利)を見れば自分がどのくらいの金利をこの投資でもらえるのかがわかります。ただ最近はどの国も利下げをしているので、新興国+豪ドルくらいしかある程度の金利が期待できなくなっています。
具体的にどの通貨でどのくらいの金利を今もらえるのか?はこちらをご覧ください。
最後にこの「為替ヘッジプレミアム」と「ハイイールド債の金利」を足すと、各通貨ごとにこのようになっています。
単純にこれだけを見ると「ブラジルレアル」「トルコリラ」「通貨セレクト」が金利が高いのでいいように思えますが、先月の野村證券のランキングを見る限り、「豪ドル」がランキング1位、「ブラジルレアル」が2位になっています。おそらく投資家もどれを選んだらいいかわからないので、野村證券の営業マンに聞いた結果、無難に豪ドルを選んだか(営業マンにとってはどの通貨を選んでもらっても手数料は同じ)、もしくは豪ドル建てですでに保有していた債券を売却してこのファンドをセールスしたか(債券よりも投資信託のほうが手数料率がいい)のどちらかでしょう。
皆さんは自分の全体の資産と自分自身の考えから選びましょう(ハイリスク=ハイリターンに投資すべきなのかどうかも含め)。
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