RBS 円建社債 〜2015年1月22日満期
今日興コーディアル証券で募集中のRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)の円建社債についてご説明します。
まず皆さんにとって真新しいのは「円建社債」ということでしょう。通常外国の会社が発行する社債とは決まって外貨建てなので「外債」と呼ばれてきました。しかし今回はわざわざ低金利の円建で資金調達をしようとしています。
金利が低いというのは、投資家にとってはよくないですが、資金調達をする会社(RBS)としてはとてもいいことです。資金調達コストが安いですからね。ではなぜ今まで外国の会社が日本の円建てで資金調達をしてこなかったかというと・・・
1)日本円で発行すると、世界で日本円を持っているのが日本人だけなので、日本人だけに対して募集をしなければならない
2)日本人は外国の企業=知らない怪しい企業という偏見があり、投資家がなかなか投資をしてくれない
3)日本人に債券を募集するのが基本日本の金融機関しかないので(日本の金融庁の規制の元)、彼らが外国で営業をして発行体から発行を取ってこなければならないが、日本の金融機関は海外ではとても弱い
ということです。
しかし最近は・・・
1)日本の金融機関が外資と提携
2)円高局面ということで、円で資金調達をして外貨で使うと有利
3)低い金利とはいえ、日本人にとっては定期や日本国債よりも良い金利ということで、最近人気が出てきた
ということで、今回も発行されることになりました。
条件は以下のとおり。
期間:4年
利率:年1.58%
利払い:年2回
格付け:AA-(Fitch)
とはいえ、金融危機で大きく打撃を受けて、英国政府が4兆円もの公的資金を出し実質国有化した銀行の資金調達なので、今のりそなの社債発行と同じで、資金の借り換えをするだけ。投資家にとっては目の前の少ない餌に飛びつくか、大きな落とし穴を敬遠するか、というところでしょう。
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