グローバル・アンブレラ UBS世界株ショート(除く日本) 〜野村證券

本日ご紹介するのは、先月の月間パフォーマンスランキングで3位だった『グローバル・アンブレラ UBS世界株ショート(除く日本)』です。昨月だけで+6.45%です。 まず「ショート」という言葉を聞きなれないかもしれませんが、これは「空売り」と同じです。つまりまだ買ってもいないのに売りから入れる、ということ。そう、下落相場に買うといいファンドです。 まずこちからのチャートからご覧ください。これはショートではなく「ロング」の方のファンド『グローバル・アンブレラ UBS世界株』の運用成績です。 アンブレラショート これが180°逆のポジション「ショート」になるので、チャートがひっくり返ります。 アンブレラショート1 そう、設定が2007年ですから、その後の世界株式相場の下落でずいぶん利益をあげたということです。一時期基準価額が20,000円を超えているので、設定後1年ちょっとで倍まで増えたファンドになります。リーマンショック後は皆さん、資産が半分になったとか、1/3になったなどとおっしゃっていたので、まったくその逆だったということですね。 世界株の内訳はこちら。やはり米国が多いので、今のような相場はとても儲かっていることでしょう。 アンブレラショート3 ただポイントとなるのは資産残高が15億円しかないこと。べつに15億円でも運用は変わらずできるのでいいのですが、何が問題かって・・・ ・日本人の投資家がこのファンドの存在を知らないこと ・投資信託でもショートポジションを取れることを知らないこと ・現在投資中の資産がすべて「買い(ロング)」ポジションになってしまっていること です。どうして下落するかもしれない相場、特にリスクの高い株式相場で一方向(買い)だけに投資ができるのか。上がるか下がるかは丁か半か50%ですから、単なる賭け事をしているにすぎないのです。 以前もブログに書きましたが、証券マンは基本「上がる」という概念の元に営業活動をしています。ほとんどの商品がこのような「売り(ショート)」のファンドではないので、上がってもらわないと困るからです。だから証券会社や銀行で相談をすると必ず上がれば儲かるファンドを勧めてきます。そう、上がれば儲かるだけで、誰も上がるかどうかなどわかりませんし、上がらなければ損をします。せっかくリスクを取ったのに。 そのため相場の下落を予測する人たちは皆、自分たちで判断し自分たちでポジションを取る(信用取引)ので、デイトレーダーやFXトレーダーのような形で独立していきます。独立してしまえば、証券会社の営業マンも銀行の窓口の行員もただの費用にしか思えませんから、余計な費用をかけない手数料の安いネット証券でトレードするようになります(もしくは海外の口座)。 信用取引以外にショートポジションを取ろうと思うと、もうヘッジファンドしかありません。 ※ヘッジファンドについてはこちら ヘッジファンドとはいまだに誤解をしている人が多いですが、「ヘッジ(ショートポジション)」をするからヘッジファンドなのです。上述の通り、ヘッジをすれば相場が一方向に動かなくても利益を出せるため、絶対収益型と呼ばれます。しかし一方向に賭けない代わりに上下ノブ(リスク)も低くなります。 あなたの本当の希望はどちらでしょうか?一方向に賭けるようなギャンブル投資をしたいのか、リスクを抑えた堅実な投資をしたいのか?私が相談に乗っている限り、明らかに後者の方が大半ですが、今の投資状況はそれに合っていない方がほとんどです。

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